物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

2018-07-24から1日間の記事一覧

植物

昔から植物を育てようとすると軒並み枯らしてしまう。小学生の頃、夏休みの自由研究カタログで一目惚れした食虫植物のウツボカズラを親に買ってもらったことがある。小さい瓶に可愛く収まり、水色の個体に根を伸ばすウツボカズラを眺めては恍惚とした気持ち…

双子

ぼくが住んでいた地区には、とくに双子が多かったように思う。小学生のときには、不審者が目撃されたときなどに地区ごとに集団下校をすることが多かった。総勢20名ほどの小学生が、6年生をリーダーとして一緒に帰るというものだったが、その中に双子が3組い…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで28

今回は、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の内容について。 この文章は、親友だと思っていた人にお金とバイクを盗まれて、借金をなすりつけられたときの又吉さんの話だった。 突然霧の中に消えたようにいなくなった元親友を、かすかな記憶と…

悲観性の男

ある町に、願えば何でも叶ってしまうほどの強運な男がいた。だが彼は、物心ついた頃からずっと悲観性だった。両親にも同級生にも道端の犬にさえも、嫌われ続けてきたから。嫌われる理由がわからなかった。ただ辛かった。もう終わりにしようと決意した男は、…

音楽

ぼくは音楽を聞くとき、その歌詞を調べてから聞く。歌詞に支えられてきた過去が、その習慣を作った。小学生の頃はアニメソングが好きでサンデーやジャンプ系アニメの主題歌をよく聞いた。アニメソングには力があった。周囲の人間の大体が敵だと思い込んで生…