物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

2018-07-26から1日間の記事一覧

『青春の門』

「青春の門を叩く」という経験は、大学生になると多くの人が経験すると思う。今まで関わったことない人たちと関わり、保護から外れて新しい世界に飛び込み、自分の意思で過去に思いつきもしなかったようなことをやってみる。子供という枠が外れて自力で人生…

幽霊

ぼくは小学生の頃、一人で家にいられない子供だった。学校から帰り家に誰もいないと、玄関先で誰かの帰りを待った。一人で家にいると、電気のついていない部屋や物陰の暗闇から得体の知れない者たちが出てきて異世界に連れ去られてしまう気がしていたのだ。…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで30

今回は、『逃亡くそたわけ』の内容について。 この文章の主題は題名通り「逃げる」だった。 メインの話は人生で培ってきた、ヤンキーから逃げる術。 目が合ったときにあくびをして目をそらすとか、コンタクトがずれたフリをするとか、8年修行した板前が親方…

鏡台

鏡を見ると、いつも思い出すホラー作品がある。それは中学生のとき、友達の家で遊んでいて観た作品だ。タイトルは忘れてしまったが、内容は確かこうだ。放課後の学校で数人の高校生が合わせ鏡をして遊んでいると、鏡の中から髪の長い白装束の貞子のような幽…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで29

今回は『銀河鉄道の夜』の内容について。 この紹介の文章は、宮沢賢治さんの文体で書かれていた。 テーマは「凝り固まった価値観」。 「優しい人が一度怒ると嫌な奴」「嫌な奴が優しいことをすると良い人」なんて価値観は誰が決めたのか、という疑問提起から…