物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

又吉直樹さん

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで41

今回は『深い河』の内容について。 紹介文のテーマは外国人宣教師で、小学生の夏に大阪で会った宣教師と沖縄で再会したときの話が書かれていた。 そのことに小学生だった又吉さんは大層驚き奇跡だと思ったが、周りの親族たちは冗談だと笑うだけで彼は歯がゆ…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで36

今回は、『笙野頼子三冠小説集』の内容について。 この紹介文は、「何もしていない自分と世の中との距離」というテーマをもつ、今のぼくにとってタイムリーな文章だった。 又吉さんが何もしていない時間を過ごしていた頃、彼は缶コーヒーを片手に近所を徘徊…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで35

今回は『変身』の内容について。 この、フランツカフカの『変身』はぼくも読んだことがあり、ぼくが読んだときの感想は「ハッピーエンドじゃないんだ・・・」でした。 ただただ、毒虫になった主人公が理不尽に傷つけられてかわいそうだなと。 なんとか毒虫か…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで34

今回は『リンダリンダラバーソール いかす!バンドブーム天国』の内容について。 文章のテーマは「夢をもったきっかけ」だった。 『ピース又吉』の原点は、中学2年の梅雨の頃、親友だと思っていた同級生に「お前に飽きた」と言われたことだったそうだ。 それ…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで33

今回は『異邦の騎士(改訂完全版)』の内容について。 テーマは「記憶喪失」。 今回の文章は、紹介する本の内容が先に書かれている。 本の内容→そのテーマに沿った物語、という流れだった。 記憶喪失になる→自分の身近から自分について考える→「ぼくは妖怪だ…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで32

今回は、『人間失格』の内容について。 太宰治の文章は、若者に「自分のことを書いている」「太宰だけが自分のことをわかってくれている」といった感想を抱かせるらしい。 人が若い時に体験するであろう葛藤や恥ずかしさ、悩み、話の噛み合わなさ、理解され…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで31

今回は、『四十日と四十夜のメルヘン』の内容について。 テーマは「チラシ」だった。 『四十日と四十夜のメルヘン』のあらすじが、チラシを軸に作られているものなので、ということのテーマ設定だと思う。 そこに、高級住宅に囲まれる安アパートに住んでいた…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで30

今回は、『逃亡くそたわけ』の内容について。 この文章の主題は題名通り「逃げる」だった。 メインの話は人生で培ってきた、ヤンキーから逃げる術。 目が合ったときにあくびをして目をそらすとか、コンタクトがずれたフリをするとか、8年修行した板前が親方…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで29

今回は『銀河鉄道の夜』の内容について。 この紹介の文章は、宮沢賢治さんの文体で書かれていた。 テーマは「凝り固まった価値観」。 「優しい人が一度怒ると嫌な奴」「嫌な奴が優しいことをすると良い人」なんて価値観は誰が決めたのか、という疑問提起から…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで28

今回は、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の内容について。 この文章は、親友だと思っていた人にお金とバイクを盗まれて、借金をなすりつけられたときの又吉さんの話だった。 突然霧の中に消えたようにいなくなった元親友を、かすかな記憶と…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで27

今回は、『アラビアの夜の種族』の内容について。 この本の紹介のテーマは、「スケールの大きなもの」だった。 これは『アラビアの夜の種族』の物語としての壮大さ、「面白過ぎて読むものが破滅する」と言われる設定の『災厄の書』をの中身を書く作家の肝の…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで26

今回は、『人間コク宝』の内容について。 この文章のテーマは、「人間の本質を知ることの面白さ」だった。 そこに高校時代、高身長で常に丸刈りの怖い同級生の話があった。 常に無口で威圧感のすごい同級生だったが、いつもハイチュウを食べていてアニメオタ…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで25

今回は『あらゆる場所に花束が…...』の内容について。 今回の文章は、「突き抜けた登場人物が出てくる」という要素に着目して書かれたものだ。 突き抜けた登場人物→どの枠にも収めることが出来ず、恐ろしく感じてしまう人達、として、学校に一度も来なかった…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで24

今回は『銃』の内容について。 又吉さんは小学生の頃、「落し物箱」のなかにある物品を物色するのが好きだったそうだ。 そこに並んだ片一方だけの靴下や体育シューズ、女子によって複雑に折られた手紙を見ていると、何かの答えらしきものや留めのない空想が…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで23

今回は『コインロッカー・ベイビーズ』の内容について。 この文章は、『コインロッカー・ベイビーズ』を読むのに8年かかったというところから始まる。 古本屋でこの本の下巻だけを見つけて上巻を見つけたら読もうと思っていた彼は、1年後にようやく見つける…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで22

今回は、『山月記(李徴・山月記より)』の内容について。 みなさんは古典の教科書で、「李徴という詩人が苦悩の末に虎になった」という話を読んだことはないだろうか? ぼくは当時、授業でその話を聞いたときに『人間が虎になる』という場面を生々しく想像…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで21

今回は、『イニシエーション・ラブ』の内容について。 『イニシエーション・ラブ』といえば、一昨年くらいに「最後の5分全てが覆る」というキャッチコピーとともに映画化されたので有名かと思います。 ぼくも映画館に観に行って、「覆ったわぁ〜」という感想…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで20

今回は、『香水 ある人殺しの物語』の内容について。 先天的に異常に鼻が利く香水調合師の主人公がある匂いに魅せられて殺人を犯してしまうというのがこの本のあらすじだ。 この文章のテーマは鼻だった。 昔から異常に鼻血が出る又吉さんの体質。 道端で出会…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで19

今回は、『中陰の花』の内容について。 又吉さんが35歳になった世界を生きているぼくにとって、この内容は興味深かった。 『中陰の花』には、個性的な占い師が多く登場するそうで、今までに又吉さんが会って来た占い師とのエピソードが書かれていた。 見た目…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで18

今回は、『螢川・泥の河』の内容について。 文末に書かれた本の紹介を読んでから本文を読み返すとまた面白い、そんな文章だった。 『螢川・泥の河』は、又吉さん曰く「少年の成長と人間の生き様が刻まれている」らしい。 今回の紹介文の内容は、たしかに少年…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで17

今回は、『江戸川乱歩傑作選』の内容について。 ミステリアスというのはもしかしたら、行き過ぎた深読みなのかもしれないと思った。 江戸川乱歩という名前については、名探偵コナンの1話を通してみなさんよくご存知かと思う。 ぼくは詳細については知らない…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで16

今回は『告白』の内容について。 紹介している本のタイトル通り、文章のテーマは「告白」。 又吉さんとかつて同級生だった”告白フェチ”の女の子の話と、毛嫌いしていたのに好きになり告白してしまった又吉さんの人間らしい姿が描かれている。 告白フェチの女…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで15

今回は『巷説百物語』について。 この本は、世に妖怪を生み出した最初の本だそうだ。 今までに遭遇した怪談があるかと聞かれて、あると答えられるのは日本人の約2割くらいではなかろうか。 あくまで人生経験上からくる肌感覚だが。 今回の文章からは、霊感の…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで14

今回は、『高円寺純情商店街』の内容について。 ここでは、又吉さんが高円寺のとあるバーを訪れた時の出来事が描かれている。 そのバーは、創業60年を誇る高円寺の心臓的なバー。 かつては作家の安岡章太郎や太宰の師・井伏鱒二も訪れたことがある、作家の歴…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで13

今回は『月の砂漠をさばさばと』の内容について。 この文章のテーマは、子供と接した時の物悲しさ。 子供と遊んでいると、かわいいなと思う反面、妙にこちらを気遣ってくれる場面があったり、自分の配慮不足で悲しい思いをさせてしまったと申し訳ない気持ち…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで12

今回は、『親友歓交(『ヴィヨンの妻』より)』の内容について。 この文章には、太宰治への好きがふんだんに込められていた。 始まりは、太宰治の作品を好きになり、作家自身についても興味を抱くようになったというよくある話。共感を生む書き方。 それから…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで11

今回は、『エロ事師たち』の内容について。 この本のあらすじは、 ありとあらゆる享楽を提供する”エロ事師”を中心に、性を渇望する男達の物悲しく滑稽な姿がユーモラスに描かれている というものだそうだ。 今回の文章には、又吉さんの回想の要素はなかった…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで⑩

今回は、『世界音痴』の内容について。 テーマは、「自分の個性が世界の仕組みにそぐわない」。 人と同じように行動しようとすると自然と浮き出てしまう経験を通して、『世界音痴』の著者・穂村さんと又吉さんは大いに共感しあえる部分があったそうで。 今回…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで⑨

今回は、『何もかも憂鬱な夜に』の内容について。 この本について書かれた文章に、『紹介』という行為のひとつの正解を見た。 この文章の最後は、こう締めくくられている。 『何もかも憂鬱な夜に』を読んだ。この本は僕の過去にまで遡り思春期の頃の僕と今の…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで⑧

今回は、『サッカーという名の神様』について。 又吉さんが自身を語る上で、サッカーをやってたときの思考や感情、自分に感じてた思いはなくてはならないものなんだろうなと思った文章だった。 今の彼を見るとサッカーの面影も感じられないのではないだろう…