物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

草原

高校の頃、文面のやりとりで「w」を大量に使うのがぼくの中で流行った。「今日遊びにいかない?wwwww」といった具合に使っていた。真面目な友達には「笑ってないのに使うんじゃねぇよ」と言われることもあったが、使い続けた。そこには理由がある。 中学のと…

観察

中学生の頃、恩師に教わったことがある。それは今もぼくの中に教訓として生きている。彼は塾の先生で、よく生徒のことを把握している人で、生徒や子供に人気のある塾講師だった。塾での授業が終わったある日、先生がなぜそんなにも人のことを知っているのか…

鼻水

風邪を引いたとき、この量の鼻水がどこに貯蔵されているのかと疑問に思う。2日前から鼻水が止まらなくなり、今も大量のティッシュを消費している。昨日居酒屋で飲み会をしていたときも、灰皿に口拭く用のペーパーで山を作ってしまった。1ヶ月ぶりに掃除しに…

取材

大学でライターを始めてから、取材をするという経験をしている。企業の情報を新卒の学生に届けるための取材、成功者の体験を次世代に伝えるための取材、公共施設の情報を広く届けるための取材、観光施設の広報のための取材、怪しい求人広告の内容を伝えるた…

部品

小学生の頃、道端に落ちているものを拾うのが好きだった。パチンコ玉やコイン、イヤホンの耳にフィットするゴム部分の片方だけを拾ったり、プラスチックの歯車のようなものを拾ったりした。拾う時には頭のなかに「これに使えそう!」というアイデアが浮かん…

武士

前世は武士だったのではと思うことがある。まず、ぼくは刀が好きだ。中学のときにはネットで刀の作り方を学び、作ってみたい気持ちが高じてひとまず釘でナイフを作ってみた。山口のちょっとした竹林でちょっとした窯を作り、釘を熱しては叩きを繰り返し、ヤ…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで41

今回は『深い河』の内容について。 紹介文のテーマは外国人宣教師で、小学生の夏に大阪で会った宣教師と沖縄で再会したときの話が書かれていた。 そのことに小学生だった又吉さんは大層驚き奇跡だと思ったが、周りの親族たちは冗談だと笑うだけで彼は歯がゆ…

荷物

小学生の頃からぼくは、荷物の多い男だった。ランドセルには5教科の教科書を毎日入れて持ち運び、それ以外のは常に机に入れていた。家に教科書を置くことはなかった。高校に上がって教科書が増えても変わらなかった。ロッカーが与えられたので増えた教科書や…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで40

今回は『異邦人』の内容について。 紹介文のテーマは「不条理」だった。 不条理とは、事柄の道筋が立ってない、道理に合わないという意味。 又吉さんが不条理という言葉から連想したのが『平成ノブシコブシ』の吉村さんだそうだ。 実家から届いたコーヒーを…

質問

手元のスマートフォンでメンタリストのDaiGoさんがしゃべっている。モテる人に共通するのは相手への質問が多いのだと。質問が多いというのを具体的に示すと、研究によれば15分に9回質問が”多い”とされているらしい。相手に興味をもって話を聞いている姿勢を…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで39

今回は最近映画化されて話題の『パンク侍、斬られて候』の内容について。 この紹介文のテーマは「カオスや混沌」だった。 内容は、ぼくはとても共感できた。 『パンク侍、斬られて候』の紹介文として書かれたのは、 知らない人とパーティーやカラオケを楽し…

ライオンと剣の国の冒険②『綱渡り』

朝、荷物をまとめて出かけたぼくたちは、次の街に移動する手段を探した。 グーグルマップで調べてみても近くの駅からどこに行けるのかがわからないので、ひとまず大きな駅を歩きながら探すことにした。 近くの小さな駅のような場所で話を聞くと、付近の一番…

聖母

「こんな人を生み出した世の中なら、もう少し生きてみよう」と反射的に思ってしまうような人がいる。その人は利他精神を軸に生きている。自分が傷つくかもしれない、裏切られるかもしれないという恐怖を抱えながらも、ためらいなく人に自分のものを与えられ…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで38

今回は『袋小路の男』の内容について。 この紹介文のテーマは「ぼくが住んでいた古くて狭い家」だった。 本の雰囲気を一言で表し、それをテーマにして話を膨らませるパターンの紹介だ。 又吉さんが『袋小路の男』を読んでいるとき、実家にいるときのような居…

矯正

彼女と付き合い始めてから、ぼくの性格は大きく変わったと思う。少なくとも自分を保つために怒ることがなくなった。これは、彼女に矯正をしてもらったことの影響が大きい。彼女と付き合い始めてから約3ヶ月ぼくは怒られ続けた。「死にたい」と頻繁に言うぼく…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで37

今回は『夜は短し歩けよ乙女』の内容について。 この紹介文のテーマは「不思議な少女」だった。 又吉さんが小学生の頃、家に「ライター貸して」と訪ねてきた少女がいたそうで、訳を聞くと「エンジェル様を燃やさないと・・・」とつぶやいたそうだ。 おやすみ…

駄目

生きていると、自然と「これはやってはいけない」という学習をしてしまう。小学生時代、周囲の人間に自慢話を吹聴しているやつがいた。「俺の家は農家だから金持ちなんだぜ」と言いながら偉そうにしている姿を見て「こうはなりたくないな」と思ったし、周囲…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで36

今回は『ジョン・レノン対火星人』の内容について。 今回の内容は正直あまりよくわからなかったのだが、おそらくテーマは「過激な表現に対する衝撃」だ。 『ジョン・レノン対火星人』という本は、ポルノ作家と「すばらしい日本の戦争」という登場人物によっ…

納豆

ぼくは普段イオンで買い物をする。その日もいつも通りに味噌汁を作るための食材を買いながら、大豆食品コーナーに差し掛かると信じられない光景を目にした。納豆が買い占められていたのだ。とうとうバレたかと思った。 納豆は一見目立たない食品だが、一度冷…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで36

今回は、『笙野頼子三冠小説集』の内容について。 この紹介文は、「何もしていない自分と世の中との距離」というテーマをもつ、今のぼくにとってタイムリーな文章だった。 又吉さんが何もしていない時間を過ごしていた頃、彼は缶コーヒーを片手に近所を徘徊…

変人

ぼくの地元には、変な人が住んでいた。その人はなぜかよく知らないが、ぼくの母校である山口高校をとても憎んでいるようだった。その人の家は、ぼくの家から徒歩3分ほどのところにあり、自転車で通るといつも追いかけられた。というのも、ぼくの高校では「山…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで35

今回は『変身』の内容について。 この、フランツカフカの『変身』はぼくも読んだことがあり、ぼくが読んだときの感想は「ハッピーエンドじゃないんだ・・・」でした。 ただただ、毒虫になった主人公が理不尽に傷つけられてかわいそうだなと。 なんとか毒虫か…

霊感

ぼくには霊感がない。しかし感受性がゆえなのか、霊感がめちゃくちゃ強い先輩と歩いていた時に、一度だけ幽霊を見たことがある。一緒に歩いていた先輩は20代の前半から霊が見えるようになり、憑かれても家に持ち込まないように家の玄関先に泡盛を置いていた…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで34

今回は『リンダリンダラバーソール いかす!バンドブーム天国』の内容について。 文章のテーマは「夢をもったきっかけ」だった。 『ピース又吉』の原点は、中学2年の梅雨の頃、親友だと思っていた同級生に「お前に飽きた」と言われたことだったそうだ。 それ…

意味

この世に意味のないものはない。それは確かだと思う。だが先日、こんなことがあった。 お店のトイレの個室に入り用を済まし、ぼくはウォシュレットを使う派なのでおしりボタンを押した。しかし、シャーッと音はするのだが洗浄がなされない。たぶん便座の裏を…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで33

今回は『異邦の騎士(改訂完全版)』の内容について。 テーマは「記憶喪失」。 今回の文章は、紹介する本の内容が先に書かれている。 本の内容→そのテーマに沿った物語、という流れだった。 記憶喪失になる→自分の身近から自分について考える→「ぼくは妖怪だ…

『雨に唄えば』

どんな人生も彩る装飾って何だろう。 誰もが共通して楽しめるものって何だろう。 価値観が多様化した今、その問いへの答えを決めつけることはできないが、20世紀当初はどうだっただろうか。 例えば恋、夢、踊り、音楽、映画などの娯楽、傲慢な人間の不幸、そ…

没頭

「これだけをやっていればそれでいい」という状態が、自分をもっとも前進させてくれる。幼稚園〜小学校に通っていた時はそれがゲームだった。とにかく任天堂64が面白くて、朝から晩までカービイとポケモンをやっていた。それらをやっていれば、ぼくは毎日楽…

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで32

今回は、『人間失格』の内容について。 太宰治の文章は、若者に「自分のことを書いている」「太宰だけが自分のことをわかってくれている」といった感想を抱かせるらしい。 人が若い時に体験するであろう葛藤や恥ずかしさ、悩み、話の噛み合わなさ、理解され…

宴会

ぼくは宴会やパーティーを楽しめない人間である。参加すると、毎回異常なほどに冷静になってしまうのだ。呪いでもかけられているのかと思うほどに。とくに全員で曲に合わせて勢いのままに踊るとか、みんなで一発芸をするとか、そういった宴会は本当に苦手で…