物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで②

今回は、『昔日の客』の内容について。

 

『昔日の客』という本は、「山王書房」という古書店の主人と、そこに訪れた客との交流を描いた作品らしい。

読んだことはないので「こんな作品です」と図々しく書くのはいかんと思って、あくまで伝聞した書き方で置いておきます。

又吉さんの文章やアマゾンのレビューを見る限り、本を愛する人たちが、「あの本のここがよかった」と伝え合う、そんな本のような気がしている。間違っていたらすみません。

 

さて、今回の文章を読んで思うのは、又吉さんは本を貪るように読んでいた自分に、違和感を感じていたんだろうなということ。

彼が読書をするようになったのは、空腹を誤魔化すためだったそうで。

本を好きだという感情はありつつも、読書を食事のような行為として見ている側面もあるんでなはいか?それは純粋に本が好きだと言えるのか?

というような違和感を抱えていたんだと思います。

 

それが『昔日の客』を読んで、解消された。

 

「本のすべてが僕にとって興味深く魅力的で大好きなのだと、この本を読んで再認識すると同時に、本が好きでいいんだよなと何かが肯定されたような気がした」

 と書いた又吉さんにとって、『本が好き』という背景には、いろんな理由があり、その理由が何だっていいと思わせてくれた『昔日の客』の存在は大きかったんだろうなと。