物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

平等

 平等という言葉は、歳を取るごとにその定義がアップデートされていくものだと思う。小さい頃、幼稚園で先生が読み聞かせていた戦争の本を見て、世界に平等がないことを知った。そこには地雷で足を吹き飛ばされた少年の姿が写っていた。当時の私には、そんな世界があることが信じられなかった。幼心に、みんな同じような暮らしをすべきだと思った。

 高校生になると、世界に格差というものがあるとを知った。それを生み出したのが人類の歴史に書かれており、どうすれば埋められるのかを図書館で勉強した。貧困の象徴がアフリカにあると知り、貧困を憎んだ。

 大学生になると、貧しい=不幸ではないと知った。フィリピンのスラム街で暮らす人たちは笑っていた。不幸なのはむしろ、自分であることを憎み、しかめ面で背中を丸めて歩く自分の方だと思った。人間を不幸たらしめるのは、自分が笑顔になれない要因を自分で生み出すことだと、フィリピン人に習った。

 そして今、誰もが自分の幸せを見つけるための努力、その幸せを保つための努力ができる環境が、全員に与えられることが平等であると思っている。日本人はだいたいその環境に置かれているのに、自分の幸せを見つける重要性を知らず、それが許されないと思っている人が多いように思う。だからこそ私は、就活支援のインターンを通して、自分の幸せを探すこと、それを実現し保つための環境を見つけるのが就活だと、啓蒙していきたい。