物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

継続

ぼくの精神を作った言葉のなかに、Pillowsというバンドの言葉がある。ぼくは、Pillowsが好きだ。高校時代に出会って以来、ブームが去っては来て去っては来てを繰り返し、好きなバンドとして殿堂入りした。そんな評価のようなものをかざすのは大変心苦しいが、それほど好きだと伝えたいだけなのでご容赦いただきたい。

 さて、彼らのどんなところが好きかと言うと、彼らは決して理想を歌わないのだ。こんな世界だったらいいねとか、こういう未来を待っているとか、そんなことは歌わない。あくまで主観で見ている世界を、独自の感性で言葉にして、等身大の歌を歌う。そうやって生み出した曲ばかりなのだ。一見すると地味だと思われがちだが、聞くたびに体に染み込むような言葉が並んでいる。だから好きだ。そんな彼らの歌詞に、とりわけ好きなものがある。

 「歩いたんじゃない 倒れてないだけ」

今、私は人生で初めて、「一人で何かを継続する」という努力をし、それがけっこう続いているという初めてづくしの経験を得ている。自分でもけっこうしょうもないなと思っていることが続けられている。だから、続けるってこういうことかとわかった。倒れなければいいのだ。倒れなければ、その先に何かある。この歌詞には、Pillowsがそうやって続いてきたんだという、彼らの叫びのような思いがこめられている気がする。足を引きずってでも進むという精神で、今日も生きていく。