又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで15
今回は『巷説百物語』について。
この本は、世に妖怪を生み出した最初の本だそうだ。
今までに遭遇した怪談があるかと聞かれて、あると答えられるのは日本人の約2割くらいではなかろうか。
あくまで人生経験上からくる肌感覚だが。
今回の文章からは、霊感のない又吉さんが不思議な体験をしたときの恐怖、その体験の微妙さゆえ人に話す際の恥ずかしさ、それでも誰かに伝えたい気持ちが溢れていて、同じく霊感のない自分を重ねた。
霊的な体験はあるけど内容が薄すぎて人に言えない『薄霊話』は、もしかしたら誰もが胸に秘めているのかもしれないなと思った。
ぼくも薄霊話を1つもっているが、例によって話すのが恥ずかしいので墓までもっていくことにする。
それまでにどこかで落っことしそうではあるけれど。