物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

音楽

 ぼくは音楽を聞くとき、その歌詞を調べてから聞く。歌詞に支えられてきた過去が、その習慣を作った。小学生の頃はアニメソングが好きでサンデーやジャンプ系アニメの主題歌をよく聞いた。アニメソングには力があった。周囲の人間の大体が敵だと思い込んで生きていたぼくは、自分を守るようにアニメソングを歌っていた。彼らの強い言葉に救われていた。

 中学生になり、アニメソングを聞くのが恥ずかしくなってきたぼくは、鋼の錬金術師経由でアジカンが好きになった。高校受験の勉強をするときは、CDプレイヤーで彼らの12曲だけを延々とリピートしていた。『ループ&ループ』を聞くと、魂はいつでも薄暗くて狭い、物だらけの学習机に飛んで行く。今でも、音楽を聞くと集中できる体質はあの頃と変わらない。

 高校生になり、ケータイを手に入れるといろんな曲を聞いた。ポルノグラフィティが人間関係の構築を手伝ってくれ、GACKTがぼっちだったぼくに意外性をくれた。鬱になったときはワンオクが持ち前のかっこよさで励ましてくれた。そしてピロウズが優しい声で心を癒してくれた。

 大学生になると、モテを意識して洋楽を聞くようになった。大人といえば洋楽という柔らかい理論を信じていたのだ。ついぞモテることはなかったが、ブルーノマーズのおかげでフィリピンの人たちと仲良くなれて、凝り固まった価値観から解放された。

 これからも多くの歌詞を摂取して生きていきたい。