物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

植物

 昔から植物を育てようとすると軒並み枯らしてしまう。小学生の頃、夏休みの自由研究カタログで一目惚れした食虫植物のウツボカズラを親に買ってもらったことがある。小さい瓶に可愛く収まり、水色の個体に根を伸ばすウツボカズラを眺めては恍惚とした気持ちに浸った。造形や植物としての機能、そのすべてが好きだった。瓶から出すには水を与えながら葉っぱが一定の量になるまで育てる必要があると説明書に書かれていたので、毎日水をあげながら鉢に移し替える日を楽しみにしていた。だが、説明書に書かれた予定日数を超えても、葉っぱは一定に達しない。本来なら20日で瓶から出せるはずだったが。まぁそんなこともあるさと思い、毎日水をあげていた。すると、だんだんと葉っぱが枯れ始めた。当時は調べる手段もなかったので、思い切って鉢に移し、ひとまず水をあげて無事を祈った。だがウツボカズラには、少年の無垢な祈りに応える力はなかったようで、あっという間に悲しい思い出の中にしまわれた。

 最近も、ファミマガーデンという、簡単にひまわりが育てられる栽培キットを買い順調に育てていたのだが、結局白いカビのようなものがひまわりにまとわりついて枯れた。部屋に彩りがほしくて100均で買った小さい観葉植物も枯れた。なんだかもう、自分が植物の天敵に思えて仕方がない。過去に立ちションを「水をあげる」とか言いながら植物にひっかけてしまったカルマだろうか。