又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで30
今回は、『逃亡くそたわけ』の内容について。
この文章の主題は題名通り「逃げる」だった。
メインの話は人生で培ってきた、ヤンキーから逃げる術。
目が合ったときにあくびをして目をそらすとか、コンタクトがずれたフリをするとか、8年修行した板前が親方の元を去る際、餞別をもらい深々するようなお辞儀をして逃げるとか、ものすごくリアルに、実際にやってたのかなという風に逃げ方が書いてあるのが面白かった。
最終的には、原稿に対する不安から逃げているというのが全体の物語で、これもまた共感できる話を紹介する本の物語に沿って書かれているのが面白かった。
個人的にも今まで逃げ続ける人生を歩んできたので、『逃亡くそたわけ』を読みたくなった。