物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

没頭

 「これだけをやっていればそれでいい」という状態が、自分をもっとも前進させてくれる。幼稚園〜小学校に通っていた時はそれがゲームだった。とにかく任天堂64が面白くて、朝から晩までカービイとポケモンをやっていた。それらをやっていれば、ぼくは毎日楽しく生きられた。

 中学に上がるとバドミントンと勉強と筋トレになった。3年までは延々とバドミントンに取り組み、引退してからは勉強に専念した。勉強をしていると、大好きな塾の先生たちが褒めてくれるのでがんばった。16時に学校が終わってから塾に直行し、晩飯を食べに徒歩1分の実家に帰って再び塾に戻り0時まで勉強した。先生に参考書のおすすめを聞き、一冊に載っている問題を繰り返し解いた。夏休みや土日は毎日12時間勉強した。それがぼくの存在価値だった。勉強は楽しかったが、勉強する代わりに生きることを許されているような気もしていた。筋トレは自分を好きになる行為として取り組んでいた。誰かの為に強くなろうとしている自分だけが好きだった。

 高校は進学校を選び、剣道と勉強と筋トレをやった。中学の延長のような気分で生きていた。感受性が高まり傷つくことが多くなったが、誰かのために強くなりつつ「学生は勉強すべし」という決まりにのっとって生きた。それなりに生きやすかったと思う。

 人生は基本、子供時代の生き方でできているはずだ。だが過去はリセットされた。次は何を道標にしようか。