又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで40
今回は『異邦人』の内容について。
紹介文のテーマは「不条理」だった。
不条理とは、事柄の道筋が立ってない、道理に合わないという意味。
又吉さんが不条理という言葉から連想したのが『平成ノブシコブシ』の吉村さんだそうだ。
実家から届いたコーヒーを又吉さんにおすそ分けしてくれる優しい面を持ちつつも、相方の経済状況を理解する前に小道具の用意がなかったことに怒鳴ってしまう場面もあり、不条理だなと又吉さんは思ってしまうと。
金のない相方に小道具を買うためのお金を渡すも、それでパンを買ってきてしまった相方にまた怒鳴るというシーンの話は、想像すると面白かった。
また吉村さんは、雰囲気に流されるきらいもあるらしく、トイレで会うと「又吉・・・天下とろうぜ」とかっこよく言ってしまうような人なんだとか。
それを聞いた又吉さんの心の中で「ダサいぞ吉村」という冷静なつっこみが入るのがまた面白かった。
だが、自分の都合を優先してしまうとか、雰囲気に流されてしゃべってしまうとか、そんな人のほうが人間らしいのだと又吉さんは書いた。
不条理をテーマにした『異邦人』は、違う土地や文化をもった人間たちの交流の話なんだと思った。
違った。
アルジェリアに住む無感情な男が殺人を犯す話だった。
この紹介文も不条理なのではと思った。