又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで41
今回は『深い河』の内容について。
紹介文のテーマは外国人宣教師で、小学生の夏に大阪で会った宣教師と沖縄で再会したときの話が書かれていた。
そのことに小学生だった又吉さんは大層驚き奇跡だと思ったが、周りの親族たちは冗談だと笑うだけで彼は歯がゆさを感じたという。
それを「又吉はたくさんいたけど神様がいなかった」と表現したのが面白かった。
『深い河』は魂の救済を求めてインドのガンジス川を訪れる登場人物たちの物語。
日本人の視点でキリスト教の本質を追求したものだ。
そういう意味では幼い又吉さんが自分の発言を信じてもらいたくて困っていた時に、結局信じてもらえず終わってしまったのもキリスト教的には当然であるということの現れかもしれない。
神様はいつでも私たちを救ってくれるが、そういうレベルのことは自分でなんとかしなさいというのが教えである、的な。