物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

健康

 健康を気にするあまり、人は不健康になるのではないか。久々に帰省をした母を見て思った。

 ぼくの母は生粋の自然主義者だ。使う洗顔石鹸はドグダミの葉っぱ由来、砂糖は使わず『てんかん』という植物由来で糖分のないものを使う。飲む酒は養命酒だし、料理はとことん薄味を好む。久々に帰って食べた母のおでんのスープはほとんどお湯だった。粉末のスープの素で作っているのだとしたら果たして4分の1も入れてないのではないかと思うほどに。

 そんな母に久しぶりに会うと、骨が浮き出るほどに痩せていた。まぁぼくが言うのもなんですけど。昔から神経質で心配性で常に溜め息をついてらっしゃる姿を見てきたが、しばらく見ないうちに食事や肌に触れるものに関しての神経質さや将来への影響を心配する感覚がレベルアップしていた。「砂糖はダメ!」「この歯ブラシ入れは殺菌してくれる良いやつで・・・」と話す姿はネットワークビジネスの人たちかなと思ってしまう本気さがあった。

 だが、体に気を遣っているわりに、母は胃腸を悪くしたり体のコリのために通院するようになったらしい。人の健康を害するのは、とにかく害を排除しようとする感情なのではないだろうか。

 できれば何か運動をしてほしいと思うし、好きな趣味など見つけて楽しんでほしいと思うのだが、心配の種があると他に何もできないらしい。心配の種であるぼくが言うのもなんだが、早く自立しないといけませんな。