物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

告白

 今日は、あの夜の出来事を文字にしようと思う。今も続けているインターン先の面接を終えた日のこと、「ちょっと今から告白してきます」と今の上司に言って出かけた夜のことを。

 きっかけは前日、移動中の車での出来事。何気なく話しているときに突然「好きだ」という気持ちが溢れてきて、つい言葉にしてしまった。「あの好きって人として?それとも女の子として?」というLINEがきて、ちゃんと言葉にしようと覚悟を決めた。そしてモノレール駅の下に呼び出し、向かい合ったのがその夜だ。覚悟を決めた割には、ちゃんと言葉にするまでえらく時間がかかった。体感にして1時間、実時間は約15分。途中、犬を散歩させているおじいちゃんに絡まれ、犬をなでるなどしていた。それ以外は押し黙ったまま、過ぎていく時間を数えつつ何を言うかで頭がいっぱいだった。頭の中で、ジャグジーの泡のように言葉が沸いていた。目の前の女性に首を縦に振ってもらうため、一世一代の大勝負だった。あれほど緊張した時間はない。

 結局、何を言うかまとまらなかった。すべてを運に任せて話を始めた。そしてこう言った。

 「好きです。君といれば、僕は何だってできると思うんです。だから付き合ってください。」

 文字にするとずいぶん独りよがりな告白だが、だいたいそんなもんだと軽く流していただきたい。ちなみにそこでは断られ、翌週、一緒に食事に行くなどしてオッケーをいただいた。