物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで⑩

今回は、『世界音痴』の内容について。

 

テーマは、「自分の個性が世界の仕組みにそぐわない」。

 

人と同じように行動しようとすると自然と浮き出てしまう経験を通して、『世界音痴』の著者・穂村さんと又吉さんは大いに共感しあえる部分があったそうで。

 

今回の文章を読んで、又吉さんが好む本の傾向がわかった気がした。

 

言葉の選択能力の高さや、自分の経験に思いを馳せながら読める文章が並んだ本を好んで読まれるのではないか。

 

第2図書係補佐しか読んでないので確証はまったくないけれど。

 

ただ、やはり本のテーマにそった自身の経験を、おもしろく映像が浮かぶように書けるのが又吉さんのすごさだと思った。

 

 

そんなわけでぼくも、世界音痴な経験を書いてみようと思う。

 

ぼくが通っていた高校では、体育のカリキュラムにサッカーや野球があった。

しかも、高校1年の友達がほぼいない時期にあった。

クラスの隅っこで日々を過ごすような暗い高校生だったため、クラスメイトになかなか打ち解けることができずにいたぼくにとっては苦痛以外の何物でもなかった。

もしぼくがサッカーや野球の球技が得意であったなら、クラスメイトと仲良くなる良いチャンスだったのだろう。

しかしぼくはド下手だった。

野球でフライを取ろうとボールの落下地点に立てば、目測を誤りボールが後ろに抜けて生き、ゴロを取ろうとすれば焦りすぎてその場でバタバタ足踏みをする。その隙にボールが抜けて行く。

サッカーでボールを蹴ろうとすれば、蹴り出した足の横をボールがスーッと抜けて行く。キーパーをやろうものならカカシよりも役に立たない存在になるのだ。

体育を通して、クラスメイトとの心の距離は確実に開いていった。

みんなの「大丈夫だよ」が痛くて、聞こえないようにずっと謝っていた。

そして、ここまで書いて気づいた。

ただの運動音痴の話だった。

自分の能力がメジャー球技の仕組みに合わなかっただけだった。

 

もっと上手く文章を書けるようになりたいものです。