物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

意味

 自分が生きている意味を知りたい。だいたいの人が人生のどこかでそう思うのだろうし、ぼくもそう思っている。初めてそれを考えたのは、中学の頃だった。

 家に帰ると両親が喧嘩をし、父親が怒鳴り散らす。学校に行けばなんだか常に仮面をつけて話をしているようで居心地が悪い。塾の先生だけが、話を聞いてくれた。そんな先生も転職のために塾を辞めて、当時のぼくには絶望的なほど遠くに行ってしまった。そんな中学生活のなかで、ぼくはずっと自分を取り巻く全てに、申し訳なく思っていた。親にお金の心配をさせ心をすり減らすことを強要し、そのせいでいつも喧嘩するほどの心の余裕を奪っている自分。友達を友達と信じきれず、自分を傷つけないために相手の気持ちに関係なく離れる自分。先生の都合に関係なく自分の気持ちの理解を強要する自分。必要ないものは世に存在していないと理解していた。それでも自分が生きているのはなぜなのか。わからなかった。今もわからない。

 だが思うに、生きる意味とは役割をまっとうし続ける中で自分にひっついてくるものなのだと思う。求めても見つからないけれど、生きてればいつの間にか持ってるものなのだ。中学時代のぼくには役割があり、今の僕にも役割がある。それぞれ内容は違うが、だいたいが次の日の自分を生かすこと。今は少しだけ人のためにすることがある。人のために何かをしていれば、いつか自分の生きる意味が見えると思う。