又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで20
今回は、『香水 ある人殺しの物語』の内容について。
先天的に異常に鼻が利く香水調合師の主人公がある匂いに魅せられて殺人を犯してしまうというのがこの本のあらすじだ。
この文章のテーマは鼻だった。
昔から異常に鼻血が出る又吉さんの体質。
道端で出会う同じ体質のおばちゃん。
幼き頃より鼻血を流し続けてきたもの同士。
おばちゃんは又吉さんの鼻腔に話しかける。
「我らの血が流れることで、救われる誰かがいる」
そう言ったおばさんの鼻腔のなかでは、残酷な戦場が広がっていた。
というフィクションが今回の文章だった。おもしろかった。
「嗅覚をテーマにした『香水』から匂い立つ香りにインスピレーションを受けて駄文をしたためてしまった」という一文があった。
自分もそんな文章を書いてみたいと思った。