物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで29

今回は『銀河鉄道の夜』の内容について。

 

この紹介の文章は、宮沢賢治さんの文体で書かれていた。

 

テーマは「凝り固まった価値観」。

 

「優しい人が一度怒ると嫌な奴」「嫌な奴が優しいことをすると良い人」なんて価値観は誰が決めたのか、という疑問提起から紹介が始まる。

 

次に「子供や動物が嫌いな奴は悪い奴」ってどうなのでしょうか?という話が、子供に恐れられ、犬が嫌いなだけで変な目で見られていたときの体験とともに書かれている。

 

そんな話が書かれている理由は、『銀河鉄道の夜』という作品が、規定の固定観念にもカテゴリーの枠にもとらわれない作品だと、又吉さんが解釈しているからだ。

 

つまり、「汽車は音を立ててゴトゴト動くものではない」という主張がされているということ。

 

なぜならそれは、君たちがそんな汽車しか見たことがないからだと。

 

創作をする人間としては、そのように目に見えるものにも自分の経験にもとらわれない思考が大事だなと思った。

 

また個人的に、又吉さんに宮沢賢治さんが乗り移って書かれたような今回の文章が好きだった。