又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで36
今回は、『笙野頼子三冠小説集』の内容について。
この紹介文は、「何もしていない自分と世の中との距離」というテーマをもつ、今のぼくにとってタイムリーな文章だった。
又吉さんが何もしていない時間を過ごしていた頃、彼は缶コーヒーを片手に近所を徘徊していた。
自転車で走るおばちゃんと同じ表情をする練習をしながら缶コーヒーを飲み、また缶コーヒーを買おうとしたら手にもっていたことを思い出して自分が怖くなる。
だが缶コーヒーをもっている間だけは、彼は「何もしていない人」じゃなく「缶コーヒーを飲んでいる人」と名乗れる、自分を誤魔化すための時間だったのだろう。
作家と名乗るためには物語を書かなくてはならない。
一歩間違えば無職だ。
家に引きこもっている自分を嘆いても仕方ない。
がんばろう。