物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

駄目

 生きていると、自然と「これはやってはいけない」という学習をしてしまう。小学生時代、周囲の人間に自慢話を吹聴しているやつがいた。「俺の家は農家だから金持ちなんだぜ」と言いながら偉そうにしている姿を見て「こうはなりたくないな」と思ったし、周囲の彼に対する見方を聞いてその思いを強くした。その思いはいつしか「こうなっては駄目だ」という自分に対する戒めのようになってしまった。

 「褒められても喜んでは駄目」というのも、いつの間にか自分の頭に染み込んでいた。これはたぶん、今まで褒められずに育ってきたことで、褒められるには途方も無い努力を積み重ねる必要があると学んだのだと思う。

 だが別に、何をどう思おうが自分の勝手だ。駄目なことなんてない。自慢したければすればいいし、褒められたら喜べばいい。それで離れていく人はいるが、それよりも大事なのは自分がどう生きたいかだ。ぼくは自分を好きでいたい。したいことをして笑っている自分が好きだし、ただ生きてるだけの自分は嫌いだ。何かに向かって努力している自分であってほしい。金をもっている自分であってほしい。理想の自分を作ろう。

 この600字作文を続けるのは辛くなってきた。続けた先に何があるんだろうか。何か新しいことを始める必要があるんだろうか。それともただそういう気持ちの時期なだけなのだろうか。わからない。だが展望がない以上、今続いていることを続けよう。