物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

矯正

 彼女と付き合い始めてから、ぼくの性格は大きく変わったと思う。少なくとも自分を保つために怒ることがなくなった。これは、彼女に矯正をしてもらったことの影響が大きい。彼女と付き合い始めてから約3ヶ月ぼくは怒られ続けた。「死にたい」と頻繁に言うぼくに「ふざけるな」と言いながら、投げ出すことなく向き合ってくれ、人への接し方や言葉遣いなどに関して散々怒られた。ぼくは彼女に嫌われたくなくて、言われたことのほぼすべてを実行しながら自分の性格や言葉遣いを直すために努力した。思えば、あの時期が人生で一番努力したと言えるかもしれない。怒涛の3ヶ月すぎて当時のことをあまり思い出せないほどだ。

 突然だが、ぼくは丸いものが好きだ。柔らかいものも好きだ。そんなものにずっと触れていたいと思う。それには理由がある。中学のころ通っていた塾の先生が、ナイフのようなやつだったぼくにこう言った。「丸く丸く、柔らかくなるんやで」と。当時のぼくは、周りの同級生は全員敵くらいに思っていたので言葉の真意はわからなかったが、大学でいろんな人に矯正されてようやくわかった。人間として一番徳が高いのは、丸くて柔らかい心を持っている人なのだと理解した。決して怒らず、誰をも跳ね除けず、なんとか理解しようとする姿勢をもっている人が人間として素晴らしいのだと。だからぼくは、おっぱいが好きだ。あの丸さと柔らかさは、先生の言葉を思い出させてくれる。