又吉直樹著『第2図書係補佐』を読んで⑦
今回は、『赤目四十八瀧心中未遂』の内容について。
この本の紹介文を書くとき、又吉さんの頭に浮かんだのは「苦行」という言葉だと思う。
そして「苦行」という言葉を、短期の派遣アルバイトをしていたときの経験で表している。
今回の内容にはたいへん共感ができ、たしかに苦行だと思いながら読んだ。
決して馴染むことができないバイト先の人たちと一緒に仕事をするとか、苦手な実演販売の仕事とか、怖い同僚のおばちゃんと同じ空間にいることとか、まさしく苦行だなと。
でも、そんなバイトでも救いはあった。
怖いと思ってたおばちゃんは厳しかっただけで、優しさ持ち合わせた人だった。
「ちゃんと食べないと午後から力出ないよ」とご飯をくれた。
苦行のような日々の中にも救いはあった。
と、又吉さんは書いていた。
この紹介文を読むと、『赤目四十八瀧心中未遂』の内容が多少想像できた。
読みにくそうな本だと思っていたけど、読むハードルが少し下がった。
本の紹介とは、こういうことかと思った。