物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

睡眠

 睡眠時間を管理する何かがあればいいのに、と思う。それは例えば、アプリの形をしていて、脳に埋め込まれたチップを操作するものだ。アプリで何時から何時まで睡眠をすると予約をすると、それに合わせて強制的に脳をシャットダウン、再起動をしてくれるという代物だ。

 おそらく人類にとっての一番の敵は、望む時間に寝て起きることができないこと、かつ眠さを感じる中でやるべきことをやらなくてはならないという状況だと思うのだ。それは、脳の命令に体が背いているという現代の生活スタイルが作ったバグだ。私はこのバグに日々苦しめられている。「明日起きられるかわからないけど寝なきゃ体がもたない。頑張って起きよう」というプレッシャーを感じながらベッドの上にいることが何よりもストレスなのだ。結局、次の日遅刻した時の妄想をしながら、謝る準備をしてなかなか寝付けない。夜も深くなった頃にいつの間にか寝ていて、だがあまり深くは寝付けずまるで電気を付けっ放しで机の上に突っ伏して寝落ちした時のような気だるさを感じながら起きるのだ。そんなことを小学生に相談すると、「はやねはやおきでげんきになるよ」と返ってくる。もちろんだ。もちろんだ・・・。

 なんだかただのため息を吐き出してきたが、私が言いたいのはただひとつ。睡眠コントロールのために脳にチップを埋め込む段階に世界が進んだ時は、真っ先に実験台になるのでよろしくお願いします。