物書きの物置き

物書きなので、物語を書いて並べます。

婚約

 拝啓 高校生のぼくへ

あなた様におかれましては、今日も「彼女がほしい」「なんで君らに彼女ができて俺にできないんだ」と友達に嘆いておられることかと思います。ですがもう散々実感していて耳が痛いかもしれないことを言いますと、まぁ女の子と話したこともないのに突然告白するスタイルの感情爆発的通り魔に彼女はできません。そんなねぇ、朝剣道場に行って筋トレして、昼も剣道場で一人でご飯を食べて筋トレして、夜も一人で筋トレしてるだけのぼっちに彼女ができるかと。1年くらい自分のなかで片思いをしてて急にLINEで告白するんじゃないと。キャラ的にも女の子に裸を見せてキモがられることを快感としていた一面のある痴漢だったじゃないですかと。そう言いたいわけですよ。「お前が言うな」と返されればぐうの音も出ませんけれども。

 残念ながら、その感じは大学に入っても変わってません。女の子と話すの苦手なまま大学の1年が過ぎました。でも、そんなスタイルの告白を受け入れてくれた女の子がいたんですよ。ずっとあなたの中にあった怒りの渦も、人への疑念も理解して受け入れてくれた素敵な人がいたのです。世界は広かった。こんなにも懐の広い女性がいるのかと感動したものです。

 人生何が起こるかわからないと、あなたもよく口にしていました。その通りです。本当にわかりません。まさかあなたが覚悟を決めて、シンデレラ城の前でプロポーズをしているなんてね。